バリューブックスと黒鳥社が、ともにムーブメントをおこすメンバーを大募集!
世界最大のスーパーマーケット・チェーンであるウォルマートに、サステナビリティの観点からアドバイスをしていたことでも知られるアウトドアメーカーのパタゴニアの創業者のイヴォン・シュイナード。彼は、とあるインタビューで「いい会社は、何から生まれるのか?」という問いに対して、こう答えている。
「責任だよ。前回の景気後退のとき、パタゴニアは過去最大の成長を経験した。景気後退では人は愚かなものや1~2年で流行が廃れるものを買うのを止めるからだと思う。長持するものだと思えば、より良い品質の、必要なものを買うだろう。ただ欲しいからという理由ではなくね。パタゴニアはそういったものを作っている。だから我々のビジネスはとても強力だ。(〜中略〜)私たちは顧客にこう伝えている。『パタゴニアからモノを買う前によく考えてください』と。本当に必要なのか、それともただ退屈していて何かを買いたいだけなのではないか。そしてパタゴニアは作る製品に対して永久に責任をもつ」
サステナビリティ、ダイバーシティ、SDGs、ESG投資……。こんな言葉を目にすることが増えた昨今、自社の利益を確保するだけではなく、社会問題を解決し地球の未来を考えることが、企業に求められている。それは本来嫌々やらなければならない「宿題」ではない。当たり前の責任を果たし、全てのステークホルダーに対して利益を生み出すこと。それ自体が目的であり、ビジネスはそのための手段にほかならないのだ。
世界に拡がる「B」
そんな社会的な責任を果たしている企業を認証する世界標準の仕組みが、Bコーポレーション(以下、B Corp)だ。
非営利団体の「B Lab」によって運営されている社会や環境に配慮した事業を行ない、ビジネスを通してそれらの課題を解決する営利企業を認証する仕組みである。「フェアトレード」の企業版といっていい。
冒頭で触れたアウトドアメーカーのパタゴニアはもちろん、アイスクリームのベン&ジェリーズ、クラウドファンディングプラットフォームのキックスターター、そして、ダノン、ユニリーバといったグローバル企業も、複数の支社やグループ企業が認証をうけている。
B Labは「ビジネスにおける『成功』を再定義する」ことを目標に、2007年からアメリカのペンシルバニア州で活動を開始。現在、認証を受けた企業は3,600社を越え、74カ国に拡がった国際的なムーブメントになりつつある(2020年11月9日現在)。
認証を受けるためには、社会や環境に対する成果を、高い基準に基づいて評価する「Bインパクトアセスメント」の調査に回答後、B Labによる審査を受ける。審査後、B Labが定める社会的・環境的ミッション、社員や近隣のコミュニティ、顧客などに対する責任などの条件をもとに定款を改定し、「相互依存宣言」に署名する。一度認証を受けた後も、認証を更新するためには、「Bインパクトアセスメント」による評価を3年に1度行い、その結果を公開する必要がある。